お日さま
なかなか読み進めないでいた、「クララとお日さま」を読了しました。
カズオ・イシグロはとても好きな作家です。
「わたしを離さないで」は、好きすぎて何度も読みました。映画もよかった。My name is Kathy H. と、物語の始まりの文字をたどると、頭の中で映像が自然にうかぶほど。
カズオ・イシグロは、SFと分類される小説でも登場人物の人間性(AIであろうとクローンであろうと)の描写が切ないですね。私は、SFはジャンルとして好きではないけれど、イシグロ作品は、SFだと後になって気づくくらいhumanityがつまっています。
「クララとお日さま」は、タイトルどおりお日さまの光がキーになった話です。人型のAIのクララは太陽光で動くという設定ですが、太陽の光はクララにとっての希望の象徴のように描かれています。
太陽の光は恩恵でもあり狂気でもありますね。 朝日が差し始めるのに活力が湧いてくる日もあれば、容赦なく注ぐ朝日に待ち受ける一日を思い気が重くなる日もあります。お日さまをどんなふうに感じるか、そのときの心もちを表しているように思います。 今日は、世間一般よりはずっと遅い仕事始めで、朝起きて気が重くなかったといったら嘘になりますが、そこは年の功で乗り切りました。
本を一冊読み終えた、ということが、ひだまりのように心の中で一点あたたかい。やはり読書は必要です。
日が沈む佐鳴湖。以前一周走っていたのが信じられないほど錆びついています。ウォーキングからまたスタート。
自分のからだに、
今年は少しずつメンテナンスするから、もうしばらくよろしくね、
とお願いした新年でした。