楽しいですか?
先日何気なくテレビをつけたら、Eテレで「読書の森へ 本の道しるべ」という番組をやっていた。ヤマザキマリさんの回だった。自身の本棚を見せてくれながら、おすすめの本を紹介するという内容の番組の中で、「マンガ描くの苦しいですよ…」という発言が飛び出し、私は、そう、ああやっぱりね、と思った。
なぜなら、私も苦しいからだ。
「日々を楽しむ」とか「好きを仕事にする」とか、とかく「楽しい」ということが美徳とされ、楽しく生きていなければいけないような風潮が私はあまり好きではない。もちろん、今自ら選んだ仕事をしていて、楽しさを感じる瞬間がないわけではない。楽しくない、というわけではないのだが、このニュアンスが通じるでしょうか。
「やりたいことがあって輝いている」ことがいちばんですか?
やりたいことがない時期があったっていいじゃん。私は、苦しいけど、だましだましやっている。後ろ向きになる日も、やさぐれた気持ちになる日もある。あそこまで走ったら歩いていいよ、やめていいよ、と自分にだまされたふりをする。
一方で、なぜやめないかというと、うーん…。
尊敬する糸井重里さんがうまいことを言っていた。20年前、何を考えて過ごしていましたか、という問いに対してこう答えていた。
「このままじゃ、このままだと思った」
このままじゃダメだ、とも違うこの言葉の捉え方、私はすごくよくわかる。
このままじゃダメってわけじゃないけど(何とかなっているし)、私がこのままでいいや、と思えば、非の打ち所がないほどこのままでOK。でも、このままでいいならずっとこのままで、このまま変われないのだ。だから、ちょっと苦しくても、(まあ、ちょっとだけならやめるのやめれば)と、やめるのを先延ばしにしている。
さすがです、糸井さん。
今年は冬休みは長めに取らせてもらうことにした。気力が尽きてしまう前に。冬休み課題図書として、ヤマザキマリさんおすすめの本を一冊読んでみようと思う。
私の本棚(の一部)。